Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうげんのたいよう
高原の太陽
岡本 かの子
Lesen Sie 高原の太陽 (こうげんのたいよう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.558 Zeichen · 17 Bildschirme
恰も自家中毒の患者を見るような憐みさえ、かの女の心に湧いて来るのだった。そしてかの女はその心をどう表現して好いかわからない。やはり表面には退屈な表情より現われて来ない。すると、ばあやはさすがに目敏く見て取り
「お嬢さまご退屈ですか、おやおや。じゃ一つ重光さんに唄でもうたって聴かして頂きましょう」
「いやな婆や」
かの女は口でこう云って制したけれども、こういう青年がどんな唄をうたうかそれも聴いて見たかった。
………………………………
………………………………
………………………………
………………………………
………………………………
青年の唄っている唄は花柳界の唄にしても、唄っている心緒は真面目な嘆きである。声もよくなく、その上節廻しに音痴のところがある。それを自分で充分承知していながら、自分に対する一種の嘲笑いを示すかのような押した調子の底に、医やすべからざる深い寂寞が潜むではないか。かの女の一般の若い生命を愛しむ母性が、この青年に向ってむくむくと頭を擡げる、この青年はどうかしてやらなければいけない。だがそう思う途端に、忽ちかの女は自分を顧みる。危い性分である。