Japanische Klassiker mit Furigana
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げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Lesen Sie 高野聖 (げかしつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.264 Zeichen · 104 Bildschirme
「ばかをいわっし、もったいない。見しやそれとも分かぬ間だったよ。ああ残り惜しい」
「あのまた、歩行ぶりといったらなかったよ。ただもう、すうっとこう霞に乗って行くようだっけ。裾捌き、褄はずれなんということを、なるほどと見たは今日がはじめてよ。どうもお育ちがらはまた格別違ったもんだ。ありゃもう自然、天然と雲上になったんだな。どうして下界のやつばらが真似ようたってできるものか」
「ひどくいうな」
「ほんのこったがわっしゃそれご存じのとおり、北廓を三年が間、金毘羅様に断ったというもんだ。ところが、なんのこたあない。肌守りを懸けて、夜中に土堤を通ろうじゃあないか。罰のあたらないのが不思議さね。もうもう今日という今日は発心切った。あの醜婦どもどうするものか。見なさい、アレアレちらほらとこうそこいらに、赤いものがちらつくが、どうだ。まるでそら、芥塵か、蛆が蠢めいているように見えるじゃあないか。ばかばかしい」
「これはきびしいね」
「串戯じゃあない。あれ見な、やっぱりそれ、手があって、足で立って、着物も羽織もぞろりとお召しで、おんなじような蝙蝠傘で立ってるところは、憚りながらこれ人間の女だ。