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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

鬼の面 ――銭形平次傑作選3

野村 胡堂

Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

四

鉄砲は川から撃ち込んだのでなければ、隣から撃ったことになります。

「隣の主人を調べて見ましょうか」

八五郎は隣の主人の人相の悪さが、気になってならない様子です。

四

「へエ、私は丹波屋の浅吉で、何んか御用でございますか」

八五郎につれて来られたのは、五十前後の喰えそうもない爺でした。

「佐渡屋の主人は殺されているんだぜ。隣に住んでいるお前さんが、『何んか御用でございますか』は御挨拶だろう」

「へ、どうも相済みません。騒ぎがあるとは訊きましたが、日頃の仲が仲ですから、へエ、見舞も悔みもいたしません」

「日頃の仲が仲とは、どういうわけだ」

平次もこの男の相手をしているのが、少し苦々しくなりました。

「地境のモメ事が公事騒ぎになって、それから隣同士は口もききません。三年にもなりますかなア、朝夕顔を見合せながら、挨拶もしないのは、変なものでございます」

丹波屋浅吉は、こんな馬鹿なことを言うのです。

「傷口の具合や煙硝の匂いなどから、佐渡屋の主人は鉄砲で撃たれたらしいんだ。隣に住んでいるお前に、それがわからなかった筈はあるまい」

「大きな音のしたことはわかっております。佐渡屋の主人が信心気狂いで、長い経をあげておりましたが、あれが朝夕耳について、仲違いの切っかけはあのお経ですよ。