Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
鬼の面 ――銭形平次傑作選3
野村 胡堂
Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme
「金之助様と仰しゃって、旦那様とは義理ある仲だそうで、――でも本当の御兄弟のように、隔てなくしていらっしゃいます。昨日は川崎へお詣りに行って、夜遅くなってお帰りでしたが、その時は内儀さんもお元気でお勝手口まで迎えに出られました」
「御浪人の岡さんは」
「隣の家に住んでいらっしゃいます。まことに気のおけない、親切な方で、旦那様の御相談相手でございます」
「ところで、戸締りは誰がするのだ」
「私がいたします」
「昨夜は?」
「金之助様がお帰りになったとき、一と通り私が戸締りを見廻りましたが、不思議なことに、今朝になって、内儀さんの部屋の窓が、戸は閉って下の桟がおりて外からは開かないようになっておりましたが、上の桟が上がったままきかなくなっておりました、そんな筈はないのですが」
「それは面白い話だな、今までいろいろの人の話を聴いたが、その話が一番面白いよ」
平次は何やら一人でうなずいております。
それから最後に平次が逢ったのは、主人の義弟の金之助でした。
「へエ、へエ、御苦労様で」
三十七八の精悍な感じのする好い男で、態度にも言葉にも、警戒的な緊張があります。
「お前さんは、主人と本当の兄弟ではないそうじゃないか」