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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

鬼の面 ――銭形平次傑作選3

野村 胡堂

Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

これは両親の中陰前の取きめとしては、少し早まったようでもありましたが、重なる不祥事を心配した岡浪之進が、亡くなった友達の七郎兵衛のために、早急にその後を立てさせようとした性急な計画で、誰も異存のあるべき筈はなく、一挙にして話はきまったわけです。

「驚いたね、親分、いったい誰が長崎屋の夫婦を殺したんでしょう」

「疑えば皆んな怪しいが、極め手が一つもないから、それだけでは人を縛るわけには行かないのさ」

相変らず弱気の平次は、こんな事を言って様子を見ております。

五月になってからのある日、とうとう三度目の凶報を、神楽坂を見張らせた、下っ引が持って来ました。

「だから言わないこっちゃない、こんどは誰がやられたんだ」

平次の用心ぶかいのが気に入らない八五郎は、こんなことをヌケヌケと言うのです。

「後見の金之助がやられましたよ」

「何? 金之助が? それは大変だ」

平次も驚いて立ち上がりました。それから神楽坂へ、

「あっしは金之助が曲者だと思い込んで、親分がどうして縛らないかと口惜しがっておりましたが、見当が違いましたね」

八五郎は途々息を切らしながら言うのです。

「当り前だ、お前の見当で人を縛った日にゃ、俺は恥ばかり掻いて居なきゃなるまい」