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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

鬼の面 ――銭形平次傑作選3

野村 胡堂

Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

神楽坂の長崎屋へ着くと、そこはもう大変な騒ぎでした。

三人目の被害者金之助の死骸は、二階の金之助の部屋の中に、血潮に染んでそのままにしてあります。しかも、死骸の側には鋭利な草苅鎌が一梃。

部屋の中には床が敷いてあり、金之助は寝巻のまま、床から這い出して切られておりますが、致命傷は喉笛を深々と鎌で横なぐりに切ったもので、曲者は万一の蘇生を心配したものか、そのうえ滅茶滅茶に死骸を切り刻んで、まことに眼も当てられぬ惨憺たるものです。

「草苅鎌とは念入りですね、親分」

八五郎は唸ってばかりおります。

「青竜刀でないのが不思議さ、刃物なんか何んだって構わないよ、――こんな達者な男が、鎌で切られて、黙って居るだろうか、八」

「あっしもそれを不思議に思っていますが、山の中の一軒家じゃなし」

「おや、――水落にも鎌をブチ込んであるが、その傷の側に、少し紫になって居るところがあるじゃないか」

「へエ、黒血が溜って居ますね」

「フーム、漸くいろいろのことがわかって来るよ」

「何がわかるんで」

「まア、宜い」

平次は階下へ降りて、今朝一番先に死骸を見付けたという、下女のお角に逢って見ました。