Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
鬼の面 ――銭形平次傑作選3
野村 胡堂
Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme
「今朝の様子を詳しく話してくれ」
というと、お角ほどの女も、さすがに脅えたものか、今日は打って変って言葉少なに、
「天井から血がこぼれたんですもの、びっくりするじゃありませんか、番頭さんを誘って二人で二階へ行って見るとあれでしょう」
「そのとき、二階の部屋か縁側の戸は開いて居たのか」
「二階はろくに締りもありません、それに今朝は後で気が付いてみると、庭から二階に九つ梯子が掛って居るじゃありませんか、庇を渡って、子供でも入れますよ」
そう言われると、いつぞや内儀のお町が殺された時のように、至って無技巧です。それに、あれほどの残虐なことをして、一つも音を立てず、声を出させないのも同じことです。
階下へ降りると、番頭の友三郎は、さすがに青い顔をして、しょんぼりしております。
「番頭さん、曲者の見当もつかないのか」
平次が訊くと、
「恐ろしいことでございます、――やはり昔の長崎の仲間でしょう、現に庭にこれが落ちておりました」
手の中には、いつぞや八五郎が持って来たのと同じ、和蘭の銀貨が一枚、紅毛人の首を浮彫したのが、不思議な謎を秘めて光って居るのです。
「どれ、――借りて行くぜ」