Japanische Klassiker mit Furigana
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きぶつどうじけん
鬼仏洞事件
海野 十三
Lesen Sie 鬼仏洞事件 (きぶつどうじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.468 Zeichen · 30 Bildschirme
煌々たる水銀灯の下、顔子狗の最期の模様は、こうして極どいところで、彼女の器械の中に収められたのであった。
自分でも、後でびっくりしたほどの早業であった。職務上の責任感が、咄嗟の場合に、この大手柄をさせたものであろう。
だが、彼女は、さすがに女であった。顔子狗の身体が、地上に転ってしまう、とたんに、気が遠くなりかけた。
もしもそのとき、後から声をかけてくれる者がいなかったら、女流探偵は、その場に卒倒してしまったかもしれないのだった。
だが、ふしぎな早口の声が、彼女の背後から、呼びかけた。
「おっ、お嬢さん、大手柄だ。しかし、早くこの場を逃げなければ危険だ」
「えっ」
三千子は、胆を潰して、はっと後をふりかえった。しかし、そこには誰も立っていなかった。いや、厳密にいえば、青鬼赤鬼が、衣をからげて、田を耕している群像が横向きになって立っていたばかりであった。
だが、どこからかその声は又言葉を続けるのであった。
「お嬢さん。おそくも、あと五分の間に、裏口へ出なければだめだ。知っているでしょう、近道を選んで、大急ぎで、裏口へ出るのだ。扉が開かなかったら、覗き窓の下を、三つ叩くのだ。