Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おにたいじ

鬼退治

下村 千秋

Lesen Sie 鬼退治 (おにたいじ) von 下村 千秋 (しもむらちあき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.214 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

まぁこの頭一つで首尾よくやっつけて来て見せるさ。」といった。

「お前に退治が出来たら、三年があいだ飲まず食わずで生きて見せる。」

「お前に退治が出来たら、おれは水の中にもぐって三日いて見せる。」

「お前に退治が出来たら、おひる前のうちに江戸まで三度往復して見せる。」

みんな勝手なことを言って勘太郎をからかったが、勘太郎はそんなことは耳にも入れず、身じたくをすると獲物一つ持たずに光明寺へ出かけて行った。

すべて怪物は、昼のうちはどこかに姿を隠していて、夜になって現れて来るものだということを知っていたので、勘太郎はまず明るいうちに寺へ着いて、どこかに自分の身を隠しておこうと考えた。

寺までの道には夏草がぼうぼうと生えて、勘太郎の小さい体を埋めるほどであった。山門の所からは杉森は暗いほどに繁り、奥へ行くにしたがって肌がひやりとするような寒い風が流れるように吹いて来た。大木の梢からは雨も降っていないのに滴がぽたりぽたりと垂れ、風もないのに梢の上の方にはコーッという森の音がこもっていた。

やがて寺の本堂へついた。大きな屋根は朽ち、広い回廊は傾きかけ、太い柱は歪み、見るから怪物の住みそうなありさまに、勘太郎も始めはうす気味悪くなった。