Japanische Klassiker mit Furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme
すると、のんびりとした声で、
「神尾喬之助である」
という返辞に、わッ! と胆を潰した長庵が逃げ出そうとすると、
「これをくれてやる。」
何やら突き出した。受け取らざるを得ない。逃げ腰で、手を出した。渡されたのは、丸い大きな物である。濡れた毛のようなものが手にさわって、全体が生あたたかく、妙にぬらぬらしている。
かなり重いのだ。
「ありがとうございます」
何だか知らないが、貰った物だから、礼を述べているうちに、渡した相手は、つぶてのように門を走り出て、瞬く間に闇黒の底に呑まれてしまった。
と、この時、屋敷の奥座敷の方に当って、一時に沸き起った人々の叫び声だ。
「やッ! 殿様が、殿様が……」
これでわれに復った村井長庵、何事? と家の中へ引っ返しながら、気がついてみると、いま渡された西瓜のような物を大事そうに持っているから、上り口の行燈に照らしてよく見てみようとした。
が、よく見る必要はなかった。ぎゃおッ! と、不思議なおめき声をあげると同時に、長庵、その貰い物を土間へ抛り出して、自分は、弾かれたように壁へ倒れかかった。長庵の手からころがり落ちた生首――大迫玄蕃の首は、つい先刻まで自分がはいていた下駄の上にトンと載っかって、おい長庵、おれアこんな情けねえことになったよ、と言わんばかり、不思議そうにまじまじと長庵