Japanische Klassiker mit Furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme
「構うな、構うな。女の腐ったような御仁じゃわい」猪股小膳という色の黒い男が、そばから口を出した。「侍だと思うから腹も立つが、女の玩具の人形が裃を着て大小を差しているのじゃとみれば、こりゃ相手にするわれらこそ大人気ないというもの」
分別臭い顔をして、そこらを見廻した。仲裁のようでもある。で、これを潮に止してしまえばよかったのだが、頭から喬之助を見くびり、あくまで呑んでかかっている近江之介である。つかつかと進むと、ぴたり喬之助の前面へ片膝ついて、のしかかるように済んだことまで言い出した。
「先日もそうじゃ。請取御番の節は、必ず昼御番と取り違えたと称して、お身は、早朝出仕したことはないではござらぬか。如何に貰いたての恋女房じゃとて、朝の別れが惜うて出仕に遅れ、それで御番士の役が勤まると思わるるかッ? のみならず、夕御番は両三度ならず欠勤、それも、一夜なりとも新妻と離れともないと言わるるのじゃろう――いやはや、金に眼がくれて町人の娘を貰い、それで得々たる仁だけあって、物の考えが無骨者のわれわれとは天から違い申す。はてッ! 何とかものを言われいッ!」
今にも掴みかからんばかりである。