Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まぞう
魔像
林 不忘
Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme
本郷、うなぎ畷――長岡頼母の屋敷である。喬之助討取り方評定の最中に。
あるじ頼母の発見した忌中札、その字がまだ濡れているというので、一同が頼母を取り囲んでわいわい言っている時、誰ともなく、つと末席に眼が行って、それで気が付いたのである。
その、今まで評議をしていた末席に、ジッと畳に両手を突いて、平家蟹のように平伏したきり動かない人物がある。
いつの間に来たのか、それとも、初めからこの部屋にいたのか、どうして今まで気がつかなかったろう?
「ウム! 誰だ、これは……」源助町三羽烏の随一、大矢内修理が、唸った。「何者じゃ?」
「御同役のお一人かな?」
穏かに口をきいて、同じく源助町の天童利根太郎が、番士達をふり返ったが、誰も答えるものはない。
部屋の一方にズラリと立ち並んで、不気味な生物でも見るように、その一個の人物に眼を据えていると――。
畳に手を突いて動かない姿……裃こそきていないが、あの元日、御番部屋でそうして嘲弄を受けていた神尾喬之助と、その位置、その態度、寸分違わないのだ。その、微動だもしない伏像に対して、一同は、眼を見張ったが、こういうと長いようだけれど、ほんの二秒、三秒……五秒とは経たないうちに大声をあげた荒木陽一郎だ。