Japanische Klassiker mit Furigana
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とり
鳥
横光 利一
Lesen Sie 鳥 (とり) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.228 Zeichen · 30 Bildschirme
私が神のことを考え出したのもつまりはそのときからである。人の肉体が皆それぞれ尽く同数の筋肉と骨格とを持っているにも拘らず、この素質の不均衡は何事であろうか、と考えたのが神への一歩の私の近づきであった。今思えば私がこの探索の方向をもったということが、私達友人の中での特長ある素質であったことに気がつくのだが、そのときはそれが私の友人達からの敗北の結果だとばかりより思えなかった。それ以後の私の謙譲さは私とQとの間を一層親しく接近せしめるばかりであった。Qは私にはことごとに助力を与え、私の性格を友人中並ぶものもなく高いといい、私の頭脳の速度の遅い原因を過度の頭の良さが常に逆に働くがためだと賞め、発見力や発明力はQやAの頭の働きにはなく常に私の頭の逆廻転力にあるという。それのみならず彼は私とリカ子を近づけることに喜びを感じるかのように彼女と私とを労わるのだ。私はQがそのようにも変り始めたことについては、それが彼の美徳の当然の現れだと思う以外には感じることが出来なかった。そうして、私とリカ子とはいつの間にかQの寛大さに甘えて結婚する破目になった。それは私が彼女を最初に誘惑したのか彼女に私が誘惑されたのか分らぬのだが、その時家中に誰も人がいなかったということが二人の不幸の原因を造ったのだ。