Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.100 Zeichen · 523 Bildschirme
およしなせえ、およしなせえ! 万吉は大不承知でございます」
と、真剣になって止めはじめた。
「なんの……」と弦之丞は、万吉の危惧を笑い、その不服を軽く聞き流して、「必ずともに、深く案ずることはない。夕餉の後の腹ごなしじゃ、無駄足をすると思うて行ってくるから、きっと留守をしていてくれよ」
「じゃ、どうしても、お出かけなさるおつもりなので?」
と、なおも心配そうにいう、万吉の言葉には答えないで、身軽に帯をしめなおして、外出の支度をすました弦之丞。
「だいぶ風が吹いてきそうな……周馬や一角や孫兵衛などよりは、火の用心がおそろしい。宿院を拝借して、炉に火を残したまま無人に致しては、寺則を破ることになる。万吉、必ずわしが留守の間に、ここをあけては相ならぬぞ」
「へえ……」といったが万吉は、一緒について行こうと考えていた矢先なので、こう釘を打たれてしまうと、いよいよ面白くない。口が尖ってくる。
「わっしもお供いたしましょう。なアに、炉の火はスッカリ埋けてまいりますよ」
「これこれ万吉、つまらぬ情を張って、拙者の足手まといになってくれるな。いよいよ阿波へ入り込む時やまた、向うへ着いて働く場合には、随分そちの腕も借ろうが、今はまだ目的の本道に入っていない」