Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

そろそろ暑くなった頃の或土曜日に行きましたら、相変らずのお客です。「好いお茶碗はお人数に足らないし、お菓子もどうかと思う」と、お姉え様はおろおろしていらっしゃる。広小路まで出なければ何もないのでした。

そこへお母様が見えました。「そんなに心配なさらなくてもいいでしょう」と、傍に店を開いたばかりの氷屋で、大きい器に削り氷を山盛り買って来させて、別の器に三盆白を入れ、西瓜の三日月に切ったのを大皿に並べさせて、「これだけ出して、後は捨ててお置きなさいまし。寒い頃なら好物の焼芋にするのだけれど、招待したお客ではなし、間に合えばいいでしょう」と、削り氷に三盆白をかけて、私どもにも下さいました。気を揉んだ後なので、お姉え様もおいしそうに召上ります。

「赤松などではお客があっても、家内の者がお相伴するのではありませんから。」

「それはお客に依り、時に依ります。どんなものでも皆で食べれば結構です。」

そんな話が交されました。

後になって賀古さんなどがお出になり、寒い日などでお酒が出ても、湯豆腐位でお済ませになるし、それで誰も不服らしくはありませんかった。

お祖母様が新嫁さんが見たいと仰しゃるのはお道理と、ちょうどその頃千住にお医者の会があって、お兄様に何かお話をといわれていたので、御一緒に車を並べてお出かけでした。