Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme
などと、笑いながらおっしゃいましたが、忽ち上達なさいました。次の手紙は母宛になっていますが、私のために書かれたものなので、母はすぐに団子坂から曙町まで持って来られて、「これはお前の教科書だよ」といって渡されたのでした。
十日の御書状拝見仕候。庭の模様がへ、北村のおくりし朝顔の事など承候。おきみさんより同日の書状まゐり候。家事(姑に仕へ子を育つるなど)のため何事(文芸など)も出来ぬよしかこち来候。私なども同じ様なる考にて居りし時もありしが、これは少し間違かと存じ候。おきみさんの書状を見るごとに、何とかして道を学ぶといふことを始められたしと存候。道とは儒教でも仏教でも西洋の哲学でも好けれど、西洋の哲学などは宜しき師なき故、儒でも仏でもちと深きところを心得たる人をたづねて聴かれ度候。毎日曜午前位は子供を団子坂にあづけても往かるるならんと存候。少しこの方に意を用ゐられ候はば、人は何のために世にあり、何事をなして好きかといふことを考ふるやうにならるるならん。考へだにせば、儒を聞きて儒を疑ひ、仏を聞きて仏を疑ひても好し。疑へばいつか其疑の解くることあり、それが道がわかるといふものに候。