Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme
仲秋の名月の頃、月見に連れて行こうと仰しゃって、お嬢さんとも御一緒にお供をしました。その時始めて馬車に乗りました。上野の八百善へ行ったのでした。料亭も、その時始めてはいったのでした。樹が繁っていますから月はよく見えなくて、葉隠れに光が射すだけです。ただおずおずと珍しい御馳走をいただいていました。お嬢さんは平気です。いつもお出になるのでしょう。
或時宮内省からのお使が、女官のお手紙を持って来ました。中奉書の二つ折に美しい散らし書で、なかなか読めません。
ちか/″\くれのおめでたさ、どなたも同じ御事に悦入まゐらせ候。弥御勝あそばし、寒さの御障り様もあらせられず、御さえ/″\敷入らせられ候御事、数々御めで度く、御よろこび申上げまゐらせ候。左様に候へば、此御まな料、まことに麁末の御事におはしまし候へども、歳末の御祝儀申上まゐらせ候しるしまでにさし上まゐらせ候。なほ幾久しくまん/\年までも相変らずといはひ入まゐらせ候、すゑながらどなた様にもよろしく御申伝へ戴け候やう、ねがひ上まゐらせ候。御目録にて失礼の御事、よろしく御断申上まゐらせ候。めで度かしく。
なほのことの外ひえ/″\しく、随分御自愛遊ばし候やう、ねがひ上まゐらせ候。