Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

林の嫁はあれに限る」といわれるのでした。

その話は順調に進んで、結婚の翌年男の子が生れました。若い方でしたが、お気の毒な結果になりましたのは明治二十三年の秋でした。そのお子が於菟さんです。

そのころ西氏は脳疾で、あらゆる御役を引いて、間もなく大磯へ引移られました。三十年の一月に大磯で薨去され、男爵を授けられました。兄が御遺族の嘱託によって、三月から筆を執って『西周伝』を草し畢ったのはその年の十月中旬です。

西紳六郎氏にお子さんがありませんので、赤松家の末男が今西氏の後嗣です。それは於菟さんの叔父に当る方でしょう。

寄席

千住大橋に近く野菜市場があって、土地の人はヤッチャ場といいました。その市場の左右に並んだ建物は、普通の住宅と違います。どれもがっしりした二階建で、下は全部が大抵、三和土になっていて、住いは二階です。二階は細い千本格子ですから、外はよく見えますまい。外から内はもとよりのことです。

市場の賑うのは朝だけです。近在から集まる農家の人々は、前日から心がけて、洗い上げた野菜を前晩に荷造して車に積上げて、被いをして置き、夜の明方に荷を引出します。