Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

。それで今日もぼんやりしていたのですが、傍の孫が袖を引くので、見返ると岡田八千代女史が笑顔で立っていられました。これこそ三十余年ぶりにお目にかかるのですが、ちっともお変りになりません。

碑の建ったあたりは、母がいつも草取りをせられた処です。腕まである長い手袋をはめて、頭は頂の辺が薄くなっているので、日が照ると手拭を乗せるのでした。西洋婦人の帽子が羨しいといわれました。そして小さな草まで抜かれます。それが済んだ後を掃くのは座敷箒です。柔かでないと隅々まで綺麗にならぬといわれるのでした。

そんな姿で門前までも平気で出て、駒寄せの間なども丹念に掃除せられます。私はその頃蓬莱町に住んでいたのですが、借家でも庭は広くて正面に赤松の林があり、隣は墓地で大竹藪がありました。静かでよいのですけれど、そんなですから、ひどく草が生えます。私も土いじりが好きですから、よく草取りをします。母が来られると、「御覧なさい、草取りをしました。綺麗になったでしょう」と申します。母は笑って、「こんなでは駄目だよ。すぐ伸びるから。私のは毛抜で抜くようにするのだから」と御自慢です。あの『十六夜日記』