Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme
またその間にお母様の御病気の時は、京都から上京して、一カ月ほども看護しました。潤三郎の京都にいた間にお兄様は人々の伝記を起草せられたので、京都に関することを度々照会して、手紙の往復が絶えませんでした。時には宇治までも行って、万福寺の墓地にある碑文を写して来たりなどもしました。帰京後にも、伝記に関しては、いろいろ蔭の補助をして上げておりました。
性質が至って優しくて、私の頼むことなども、潤三郎はよく聞いてくれました。何の本が見たいといいますと、すぐに本屋を探して買って来てくれますし、何が分らぬといいますと、すぐに図書館で調べて、書抜を送ってくれました。私が年をとって細い文字など見づらいので、校正なども頼みますと、長年馴れているものですから、手早く親切にやってくれます。それをいつも感謝しておりました。酒を絶対に用いませんので、御礼心に、来そうな時には甘いお菓子を心懸けて取って置くようにしていました。
萎縮腎は一時快くなりましたので、大晦日には米や野菜を持って箱根へ湯治にまいりました。元旦にそこから寄越した葉書に、「私は割合に元気にしております。元日と二日とは休養、三日頃から見物、携帯食糧のなくなる頃帰京」