Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme
」
かように尋ねますと、今までは父の地面に小さな家があってそこにいたけれど、今度義理のある親戚をそこへ入れねばならなくなり、弟も事情があって断れないでいるとのことで、「少しずつでも遣ったら、また置いてもらわれましょうか」といいます。
「そうかい。私のことだから、大したことはして上げられない。お前を御贔屓の御隠居様も亡くなって、相談する人もなし、私の心ばかりだけれど、毎月送って上げよう。」
私はそういって、今度出て来た費用の足しにでもと、金を包んで出しましたら、何ともいわずに取りました。よほど手元が苦しいのでしょう。帰りの汽車賃もないのかも知れないと、可哀そうになりました。
その月末に送金しましたら、先月はお世話様になりましたと、礼をいってよこしたので、無事にいたかと安心しました。それから一年ほど過ぎて、連合の亡くなった由を知らせて来ました。志を送りましたら、その返事に、これで私も安心して逝かれます、としてありました。
その秋地方に流行性感冒の蔓延しました時、はつは年は取っても元気を出して、あちこちの看病に雇れていたのですが、とうとう自分も感染して、年寄の流感で、それなり逝ってしまいました。