Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme
何という種類か知りませんが、葉の幅が広く、紅葉すると黄と朱と紅とが混って美しいのです。実は大きくて甘いのですが、喜ぶのは私と次兄とだけでした。家の横手にある無花果とその柿とが私の楽しみで、木蔭に竿を立てかけて置いて、学校から帰ると、毎日一つずつ落して食べました。鴉はよく知っていて、色づく頃にはもう来始めます。もっと熟すまで置きたいのですけれど。
表の方へ廻りますと、冠木門まで御影の敷石です。左の方はいろいろの立木があっても、まだ広々していました。後には、ここらが寂しいからと、貸家を二軒立てました。右の方で目立つのは芭蕉でした。僅かの間にすくすくと伸び、巻葉が解けて拡がる時はみずみずしくて、心地のよいものです。花が咲いて蓮華のような花弁が落ちますと、拾って盃にして遊びました。
見事なのは門前の柳でした。夏は木蔭が涼しいのですから、よく人が立止っては休んでいました。飴屋などは荷を下して、笛を吹いて子供を寄せて、そこで飴細工をするのでした。狸や狐などを、上手にひねって造ります。それに赤や青の色を塗り、棒に附けて並べます。大抵の子供は、丸い桶に入れてある水飴を、大きく棒に捲いてもらうのです。