Japanische Klassiker mit Furigana
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つるはやみき
鶴は病みき
岡本 かの子
Lesen Sie 鶴は病みき (つるはやみき) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.495 Zeichen · 53 Bildschirme
」従妹が突然太い声を出して「私ね東京って云えば直ぐに青山御所を思い出すっきりよ。」と云ったので話はまたあとへ戻った。麻川氏「あはは……それも単純で好いな……僕なんか本所育ちで、本所の大どぶに浮いた泡のようなもんですよ。」従妹「あらいやだ。」麻川氏「そうですよ、ああそうですとも(私に向いて)どうもね、直きぶくぶくと消えて行きそうですよ。」私「星を見乍らそんなことを考えていらっしったんですか。」麻川氏「要するに、こんないいかげんな世の中に、儚ない生死の約束なんかに支配されて、人間なんか下らないみじめな生物なんだ。物質の分配がどうだの、理想がどうだの、何イズムだのと陰に陽にお祭り騒ぎして居るけれど、人間なんて、本当の処は桶の底のウジのようにうごめき暮らして居る惨な生物に過ぎないんですな。」私「そうですね。でも、そういう風に思い詰めるどんづまりに、また反撥心も起って、お祭騒ぎや、主義や理想も立て度くなるんじゃないのですか。どっちも人間の本当のところじゃありませんか。」氏「生死の問題に就いてあなたは何う思いますか。」私「死は生の或る時期からの変態で、生は死の或る時期以前の変態というようにも考えるし、また、まるまる別個のようにも考えますわ。