Japanische Klassiker mit Furigana
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つるはやみき
鶴は病みき
岡本 かの子
Lesen Sie 鶴は病みき (つるはやみき) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.495 Zeichen · 53 Bildschirme
そのあとの話の都合で私は主人が少年時代隅田川の河童党で神伝流の免許を受けて居ることを云った。だが、それをまた何のために馬車まで雇って実験する必要があるのだろう。たとえば今日泳がなくても主人の免許を受けたことは飽迄も事実であるのに、浅はかな人達よ。何とでも思うが好い。と私はぐっと、息を詰めて堪えて居た。赫子は、云うだけは云ったが、折角の計劃が無になったいまいましさを紛らす為めか傍若無人にたてつづけの鼻唄。麻川氏は私と同じ無言で、しかし、何かしきりに考えめぐらして居る様子だったが、突然、私の絽縮緬の単衣の袖を撮んで「X女史にこんな模様は似合うな。」(X女史はX夫人だ、氏は自分とX夫人と世間が噂をして居るのを知らないらしい。)と決定的に云った。私は話題が変ったので先刻からの不愉快な気持ちが一寸くつろいで「あの方には無地でこの色(小豆色)だけなのが好いでしょうね。」と云った。すると麻川氏の顔に見る見る冷笑が湧いた。「あなたの主張はそうですかなあ――あなた、あの人の衣裳持ちにヤキモチ焼いて居ませんか。」終りの一句(これは普通の目鼻を持って居る同志が面と向って云い合う言葉では無い。