Japanische Klassiker mit Furigana
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おうむぐらかえくびでんせつ
鸚鵡蔵代首伝説
国枝 史郎
Lesen Sie 鸚鵡蔵代首伝説 (おうむぐらかえくびでんせつ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.083 Zeichen · 26 Bildschirme
だからお姉様の許へ行って……』と。……」
「よくおいでだった。そういう書信が、お前のところから来て以来、どんなに妾は、お前のおいでるのを待っていたことか。……安心おし、安心して何時までもここにお居で。この姉さんが世話てあげます。子供のない妾、お前さんを養子にして、納谷の跡目を継いで貰いましょうよ」
「お姉様、ありがとうございます。万事よろしくお願い申します」
菊弥は、はじめてホッとした。
彼は、この部屋へ入って来るや、代首にしろ、首級を洗っている、妖怪じみた姉を見て、まず胆を潰し、ついで、納谷家の古事や、当代の主人の不幸の話や、そのようなことばかりを云って、こちらの身の上のことなど、一向に訊いてもくれない姉の様子に接し、うすら寂しく、悲しく思っていたのであったが、ようやく姉らしい優しい言葉や、親切の態度に触れたので、ホッとしたのであった。
犬ともつかず、何の獣の啼声とも知れない啼声が、戸外から鋭く聞こえてきた。昼でもこの辺りでは啼くという、の声であった。
部屋の中は、寒い迄に静かであった。首を洗うお篠の手に弾かれて、盥の中の水が、幽かに音を立てている。