Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
さとう
麻布襍記 ――附・自選荷風百句
永井 荷風
Lesen Sie 麻布襍記 ――附・自選荷風百句 (さとう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.256 Zeichen · 77 Bildschirme
郊外の家の垣根道。雨に打たれた木の葉は到る処に散り乱れていた。時ならぬ落葉を踏み踏み火薬庫の裏手を行人坂の方へと歩いた。時ならぬ落葉に遊意を催したのである。樹の下を通る時汗ばんだ額にあたる風がひやりとする程つめたい。
何年にも不動尊へは参詣した事がないと、夕日が岡を下りかけた時A君が云った。
「日和下駄」を三田文学に寄稿していた時分である。写真機を肩にして世田ヶ谷の豪徳寺をたずねた帰り道。その時も目黒へ廻った。短い秋の日が矢張暮れかかろうとしている時分であった。いわれもなく停車場の方へと急いで行く道すがら大崎の森から大きな月の昇るのを見た。
その前はもういつであったか明には覚えていない。父と母とに手を引かれて大国家か何処かその辺の茶屋で何か食べた事があるようである。目黒は竹藪ばかり繁った処だと行帰りの車の上で見た当時の景色がただただ神秘に思い返される。
今年わたしは四十も既に半に近づこうとしている。四十年の間に目黒へ来た事も数えて見ると今度でたった四度にしかならない。
人生五十年。中秋の月を望み見る事も数えたら幾回か。年少の頃愛読した書物を重ねて読返し見る日も数えたら幾度あろう。