Japanische Klassiker mit Furigana
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さとう
麻布襍記 ――附・自選荷風百句
永井 荷風
Lesen Sie 麻布襍記 ――附・自選荷風百句 (さとう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.256 Zeichen · 77 Bildschirme
」
「ほんとにそうで御在ます。長雄がお嫁を貰います時も随分大騒ぎで御在ました。」
「そうさ。然しもう皆片付いてしまった。わしとお前二人きりならもうこんな広い家にいる必要もないだろう。」
「そうで御在ます。それに此頃は世間でも何ですか人の住む家や地面がないと云っているようで御在ますから。いっそ小じんまりした家の方がよいかも知れません。」
「そうさな。この屋敷を買った時分には長雄が嫁でも貰ったら建増しが出来るようにと思って裏の空地まで一所に買って置いたのだが、いらん事だった。」
「この節の若い夫婦はみんな自分の好きな新しい家の方がいいと申しますから仕方が御在ません。」
「寅雄も洋行から帰って来て嫁を貰ったら矢張別に家を持つだろうな。」
「それは無論そうで御在ましょう。姑と一緒だなぞと申しましたら此頃では嫁に来るものは御在ますまい。」
「そうして見ると妙なものだな。小島さんのお宅のことなぞは、何が仕合せになるか知れん。此の間も男爵家へ出入をする医者の話だが、家出をしたお嬢さんは今では別の人のようになったというじゃないか。御両親の傍で女中と一緒に家の用をして居られるという事だが、妙な事になるものだ。