Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
てらだとらひこ
黄道
和辻 哲郎
Lesen Sie 黄道 (てらだとらひこ) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.971 Zeichen · 59 Bildschirme
ことにこの二、三年来、頻々として強震があったことは、自分に不安の念を抱かせるに充分であった。自分の一家についていえば、自分はまず住む家の地盤を気にした。そこは千駄が谷の丘と丘との間の小さい川に沿うた細長い低地で、この低地の大部分が水田であったころには、自分の家のあたりは大きい池のある低湿な庭園であった。埋立地が地震にいけないと聞いていた自分は、この家が大地震に一たまりもなく倒壊するだろうことを思った。それにつけても自分は二階の書斎に蔵書の全部をあげていることが不安になった。二階が重ければ倒壊がいっそう容易になると思えたからである。で自分は建築の専門家に逢うごとに二階の重量がどれほどまでは危険でないかということをただした。しかし自分は、これほど不安に思いつつも、引越しをしようとはしなかった。また蔵書を階下におろすこともしなかった。近き将来に大地震のあり得ることを信じてはいたが、なんとなくそういう異変が自分に縁遠いものとして感ぜられたからである。そうしてそういう漠とした杞憂のために、面倒な引越しや書物の置き換えなどをすることが、なんとなく滑稽に思えたからである。