Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんのうでわ
黄金の腕環
押川 春浪
Lesen Sie 黄金の腕環 (おうごんのうでわ) von 押川 春浪 (おしかわしゅんろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.431 Zeichen · 9 Bildschirme
様な事はせず、黙って腕環を眺めて居る。
父伯爵は微笑を浮べて、
「イヤ待て、腕環は一個で、娘は三人、誰に贈るのか分らぬ、何か書付でも入って居るだろう」と、猶およく箱の中を調べて見ると、果して玉村侯爵自筆の短い書面が出た、伯爵は手に取って夫れを読み下せば――
一、この腕環は、玉村侯爵家に、祖先より伝われる名誉ある宝物なり、新年の贈物にと貴家に呈す、但し一個の外は無ければ、三人の令嬢の内、この年の暮に、最も勇ましき振舞を為せし人、この腕環を得べき権利あり、而して此腕環を得し人は、同時に更に多くの宝物を得べき幸運を有す、
と書いてあった。
二 三人姫君
「オヤオヤオヤ」と、一番目の娘と二番目の娘とは顔を見合せた。
伯爵は三人の娘の顔を打眺め、黄金の腕環を再び自分の手に取って、「玉村侯爵は相変らず面白い事をする人だ、この腕環は侯爵家の祖先照子姫と云う人の用いたもので、世の貴婦人達の羨む珍品である、之れを三人の娘の内、この年の暮に最も勇ましい振舞をしたものに与えると云う、然し年の暮と云えば、今日は十二月三十一日の夜、今夜中に誰が一番勇ましい