Japanische Klassiker mit Furigana
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こうちょうのなげき
黄鳥の嘆き
甲賀 三郎
Lesen Sie 黄鳥の嘆き (こうちょうのなげき) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.792 Zeichen · 82 Bildschirme
重武は変装して千鶴につき纒って、絶えず薬包を狙っていたのだ! 隙さえあれば毒薬とスリ替えようとしているのだ。彼は予め太田医院の薬袋紙と外袋とを手に入れ、それには一見区別の出来ないように、それ/″\記入をして、その包紙の中には毒薬を入れ、千鶴の持っているのと同じ風呂敷を用意して、機会を待ち構えているのだった。
だが、問題の日に千鶴は、買物には立寄ったけれども、薬を入れた包は一時も手から放さなかったという。では、いつどうしてスリ替える事が出来たろうか。
何か千鶴が思い違いをしているのではなかろうか。買物をした時に、鳥渡どこかへ置いたものではなかろうか。
「一昨日薬を貰って帰る時、本当に薬包を手放した事はないかね」
野村はもう一度念を押した。
「決して手から放しません。絶対に間違いございません」
千鶴はきっぱりと答えた。
野村は座に居たゝまらなかった。
彼は再び口実を設けて外に出た。
(うぬッ、重武なんかに負けて耐るものか。そやつの考え出した事が、俺に考えつかないなんて、そんな法があるものか)
野村は必死になって考え続けながら、その辺を歩き廻った。
ふと、気がつくと、彼は太田医院の前を歩いていた。