Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くろゆり

黒百合

泉 鏡花

Lesen Sie 黒百合 (くろゆり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.148 Zeichen · 154 Bildschirme

Aozora Bunko

こちらでも新聞がござりますなら、疾くに御存じでござりましょう。」

若山は色を動かして、

「そうか、私はまた何も彼も思切って、わざと新聞なぞは耳に入れないように勤めているから、そりゃちっとも知らずに居た、御無事に。……そうかい、けれども慶造、私はお目にかかられまい。」と額に手を翳して目を蔽うたのである。

「なぜでございます、目をお損いになりましたせいでござりますか。」

「むむ、何それもあるけれども、私が考で、家を売り、邸を売り、父様がいらっしゃる処も失くなしたし。」

「それは御心配ござりません、貴下が放蕩でというではなし、御望がおあり遊ばしたとはいえ、大旦那様が迷惑をお懸け遊ばした方々の債主へ、少しずつお分けになったのでござりますもの、拓はよくしたとおっしゃったのを、私が直に承わりましてござります。」

「そして今どこにいらっしゃるんだな。」

「へい、組合の方でお引取申しました。海でなり、陸でなり、一同旗上げをいたします迄はしばらくおかくれでござります。貴方もこういう処はお立退になって、それへ合体が宜しゅうござりましょう。ちょうどこの国へ参りがけに加州を通りまして、あすこであの白魚の姉御にも逢いました。