Japanische Klassiker mit Furigana
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くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lesen Sie 黒百合 (くろゆり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.148 Zeichen · 154 Bildschirme
あれそれ謂っちゃあ第一何だ、お前の恥だ。往来で見ッともない、人が目をつけて顔を見るよ。」と島野は落着いたものである。多磨太は案を拍たないばかりで、
「しかり、あきらめて覚悟をせい。魚の中でも鯉となると、品格が可いでな、俎に乗ると撥ねんわい。声を立てて、助かろうと思うても埒明かんよ。我輩あえて憚らず、こうやって手を握ったまま十字街頭を歩くんじゃ。誰でも可い、何をすると咎めりゃ、黙れとくらわす。此女取調の筋があるで、交番まで引立てる、私は雀部じゃというてみい、何奴もひょこひょこと米搗虫よ。」
「呑気なものさね、」と澄まし切って、島野は会心の微笑を浮べた。
「さあ、行こう、何も冥途へ連れて行くんじゃあないよ。謂わばまあ殿様のお手が着くといったようなものさ。どうして雀部や私を望んだって、花売なんぞが、口も利かれるもんじゃあない、難有く思うが可いさ。」
法学生の堕落したのが、上部を繕ってる衣を脱いだ狼と、虎とで引挟み、縛って宙に釣ったよりは恐しい手籠の仕方。そのまま歩き出した、一筋路。少い女を真中に、漢が二人要こそあれと、総曲輪の方から来かかって歩を停め、間を置いて前屈みになって透かしたが、繻子の帯をぎゅうと押えて呑込んだという風で、立直って片蔭に忍んだのは、前夜榎の下で、銀流の粉を売った婦人であった。