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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろゆり

黒百合

泉 鏡花

Lesen Sie 黒百合 (くろゆり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.148 Zeichen · 154 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「だからさ、私に限らず、どこにどんな者が居ないとも限らないからね、うっかりしちゃあ危険だよ。」

「あい、いいえ、それが何だ、知事のお嬢さんがね、いやに目をつけて指環を取換えようなんて言うんだ。何だか機関を見られるようで、気がさすから、目立たないのが可かろう、銀流でもかけておけと、訳はありゃしねえ、出来心で遣ったんだ、相済みません。」といって、莞爾として戯にその頭を下げた。

「沢山お辞儀をなさい、お前さん怪しからないねえ。そりゃ惚れてるんだろう、恐入った?」

「おお、惚れたんだか何だか知らねえが、姫様の野郎が血道を上げて騒いでるなあ、黒百合というもんです。」

「何だとえ。」

「百合の花の黒いんだッさ、そいつを欲しいって騒ぐんだな。」

「へい、欲しければ買ったら可さそうなもんじゃあないか。」

「それがね、不可ねえんだ、銭金ずくじゃないんだってよ。何でも石滝って処を奥へ蹈込むと、ちょうど今時分咲いてる花で、きっとあるんだそうだけれど、そこがまた大変な処でね、天窓が石のような猿の神様が住んでるの、恐い大な鷲が居るの、それから何だって、山ン中だというに、おかしいじゃあねえか、水掻のある牛が居るの、種々なことをいって、まだ昔から誰も入ったことがないそうで、どうして取って来られるもんだとも思やしないんだってこッた。