Japanische Klassiker mit Furigana
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くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lesen Sie 黒百合 (くろゆり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.148 Zeichen · 154 Bildschirme
蚊でも蚤でも食ったのが、ぶつぶつ一面に並んでみな、自分の体でも打棄りたいやな。私ゃこうやってお前さんがここに盗んだものを並べてあるのを見ると、一々動くようで蛇の鱗だと思って、悚然とした。」
三十九
「野暮は言わない、私だって何も素人じゃあなし、お前さんの病な事も知ってるから、今めかしい意見をするんじゃないが、世の中にゃもッと面白い盗賊のしようがありそうなもんじゃないか。時計だの、金だの、お前さんが嬉しがって手柄そうにここに並べて置くものは、こりゃ何だい! 私に言わせると吝さ、端のお鳥目でざら幾干でもあるもんだ。金剛石だって、高々人間が大事がって秘っておくもんだよ、慾の固だね。金と灰吹は溜るほど汚いというが、その宝を盗んで来るのは、塵芥溜から食べ荒しをほじくり出す犬と同一だね、小汚ない。
そんなことより滝さん、もっと立派な、日本晴の盗賊がありやしないかしら。
主の棲む淵といえば誰も入ったものはあるまい。昔から人の入らない処なら、中にまたどんな珍らしい不思議なものがあろうも知れない。譬にも竜のには神様のような綺麗な珠があるというよ。何そんなものばかりじゃあない、世の中は広いんだ、富山にばかりも神通川も立山もあるじゃあないか。