Japanische Klassiker mit Furigana
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はなのひょうげん
鼻の表現
夢野 久作
Lesen Sie 鼻の表現 (はなのひょうげん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.303 Zeichen · 141 Bildschirme
同時にその眼は細く波打ち口はすぼまり頬ペタは笑くぼを高やかに盛り上げて、
「すっかり満足致しておりまする。何もかも勿体ない位面白くておかしい事ばかり。只もう嬉しくて嬉しくて」
という表現を作っております。その表現はそのチョッピリとした鼻の背景として、そうした気分を弥が上にも引っ立てているかのように見えます。「おかめ」の一名をお多福というのは、こうして現在のすべてに満足している気持ちを云ったものと推察されるようであります。
畢竟するところ、この二つの鼻の表現は人間の性格の両方向の行き詰りで、「天狗」は極度の増長と高慢を――又「おかめ」は極度の謙遜と無知無能とを表現しているのであります。
然るに「ヒョットコ」となると、その高慢も謙遜もありませぬ。全く明け放しの鼻の表現をしております。
すべてに対して驚いております、不思議がっております、ビクビクしております、うろたえております、ヒョットコヒョットコしております。只色気を見せる鼻毛と、喰毛を見せる口だけが並外れて長いという、つまり極度に文化程度の低下した無知無能な性格を表わしております。地方に依りまして「ヒョットコ」