Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなのひょうげん

鼻の表現

夢野 久作

Lesen Sie 鼻の表現 (はなのひょうげん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.303 Zeichen · 141 Bildschirme

Aozora Bunko

と口では云いながら、内心実はつまらない。長居したくない。ほんの義理で来ているので、うちにはまだ用事がドッサリあるとノツソツしていると、眼や口はニコニコしながら鼻だけどことなくソワソワしております。

デリケートな相手になると直にこれに感じて、ちっとも落ち着かぬまますっかり落ち着いたふりをして、

「ホントニ御ゆっくり遊ばせな。お久し振りですから」

とか何とかバツを合わせながら障子の蔭で鼻の頭をイライラさせつつ、急いでゆっくりとお茶やお菓子を出します。

双方のびやかにお茶を嘗てお菓子を嗅いで眼や口を細くして語り合いながら、お互いの鼻同志はとっくに気がさし合ってウンザリしている。いい加減シビレが切れたところで、

「アノ……では……又」

「アラまあお宜しいじゃ御座いませんか」

と立ち上って玄関へ出る。ここで初めてどちらもホッとした鼻の表現を見せ合いながら、イソイソと出て行かれる。一方はサッサと引込まれるといったような御経験は、特におつとめの些ない、率直を重んぜられる吾が日本の御婦人方にとってお珍らしいであろうと考えられます。

田舎から出てきた叔父さんが天下泰平の長逗留をする。