Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ディーざかのさつじんじけん

D坂の殺人事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie D坂の殺人事件 (ディーざかのさつじんじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.072 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

もしそうだとすれば、犯人は、何か、人の目にふれても、それが犯人だとは気づかれぬ様な方法で通ったのじゃないだろうか、そして、それを目撃した人はあっても、まるで問題にしなかったのではなかろうか、とね。つまり、人間の注意力の盲点――我々の目に盲点があると同じ様に、注意力にもそれがありますよ――を利用して、手品使が見物の目の前で、大きな品物を訳もなく隠す様に、自分自身を隠したのかも知れませんからね。そこで、僕が目をつけたのは、あの古本屋の一軒置いて隣の旭屋という蕎麦屋です」

古本屋の右へ時計屋、菓子屋と並び、左へ足袋屋、蕎麦屋と並んでいるのだ。

「僕はあすこへ行って、事件の当夜八時頃に、便所を借りて行った男はないかと聞いて見たのです。あの旭屋は君も知っているでしょうが、店から土間続きで、裏木戸まで行ける様になっていて、その裏木戸のすぐ側に便所があるのですから、便所を借りる様に見せかけて、裏口から出て行って、又入って来るのは訳はありませんからね。――例のアイスクリーム屋は路地を出た角に店を出していたのですから、見つかる筈はありません――それに、相手が蕎麦屋ですから、便所を借りるということが極めて自然なんです。