Japanische Klassiker mit Furigana
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ディーざかのさつじんじけん
D坂の殺人事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie D坂の殺人事件 (ディーざかのさつじんじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.072 Zeichen · 44 Bildschirme
沢山の簡単な刺戟語を与えて、それに対する嫌疑者の観念聯合の遅速を計る、あの方法です。併し、あれは必ずしも、心理学者の云う様に、犬だとか家だとか川だとか、簡単な刺戟語には限らないし、そして又、常にクロノスコープの助けを借りる必要もないと、僕は思いますよ。聯想診断の骨を悟ったものにとっては、その様な形式は大した必要ではないのです。それが証拠に、昔の名判官とか名探偵とかいわれる人は心理学が今日の様に発達しない以前から、唯彼等の天稟によって、知らず識らずの間に、この心理的方法を実行していたではありませんか。大岡越前守なども確かにその一人ですよ。小説で云えば、ポオの『ル・モルグ』の始めに、デュパンが友達の身体の動き方一つによって、その心に思っていることを云い当てる所がありますね。ドイルもそれを真似て、『レジデント・ペーシェント』の中で、ホームズに同じ様な推理をやらせますが、これらは皆、ある意味の聯想診断ですからね。心理学者の種々の機械的方法は、唯こうした天稟の洞察力を持たぬ凡人の為に作られたものに過ぎませんよ。話が傍路に入りましたが、僕はそういう意味で、蕎麦屋の主人に対して、一種の聯想診断をやったのです。