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Japanische Klassiker mit Furigana

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ディーざかのさつじんじけん

D坂の殺人事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie D坂の殺人事件 (ディーざかのさつじんじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.072 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

これもあとで聞いたのだが、小林刑事が唯一の証拠品として、頼みをかけて持帰った例の電燈のスイッチにも、落胆したことには、明智の指紋の外何物も発見することが出来なかった。明智はあの際で慌てていたせいか、そこには沢山の指紋が印せられていたが、凡て彼自身のものだった。恐らく、明智の指紋が犯人のそれを消して了ったのだろうと、刑事は判断した。

読者諸君、諸君はこの話を読んで、ポオの「モルグ街の殺人」やドイルの「スペックルド・バンド」を聯想されはしないだろうか。つまり、この殺人事件の犯人は、人間でなくて、オランウータンだとか、印度の毒蛇だとかいうような種類のものだと想像されはしないだろうか。私も実はそれを考えたのだ。併し、東京のD坂あたりにそんなものが居るとも思われぬし、第一障子のすき間から、男の姿を見たという証人がある。のみならず、猿類などだったら、足跡の残らぬ筈はなく、又人目にもついた筈だ。そして、死人の頸にあった指の痕も、正に人間のそれだ。蛇がまきついたとて、あんな痕は残らぬ。

それは兎も角、明智と私とは、その夜帰途につきながら、非常に興奮して色々と話合ったものだ。