Japanische Klassiker mit Furigana
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エムこ
M子
宮本 百合子
Lesen Sie M子 (エムこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.403 Zeichen · 5 Bildschirme
「Aさんって云うのはどんな方?」
ってきいた。
その人は変に笑いながら、
「そらその方
と私のそうだろうと思って居た人を指さした。
教えてもらって別に口を利くでもなくお互に悲しい様な笑をなげ合ってその日はそのまんま帰って仕舞った。
それから私達は誰が何と云おうとも離れられないほど親しい友達になったのである。
そこの学校を出て私が他処の学校へ通う様になってもM子の引けの後い日にはわざわざまわって行って一緒に帰った。
M子が学校を出て仕舞ってから一年に一度も会わない時もあったしその間手紙の一本もやり取りしなかった時さえ有ったけれ共その次会った時には昨日会った時と同じ何のこだわりも無い気持になれた。
始めの間は只親しいと云うのに過なかったけれ共今はもう、私は何でもM子の事をかばってやる様な位置になった。
そう云う気持になった。
家庭的の事情からM子の生活状態は種々に変った。
或時は思いきり華かな中に、或る時は涙の出るほどじみな中に――
そうして私の喜ぶ事は度々の生活状態の変化はあっても、その素直な、生一本の気持が失われずに有る事である。
おっとりした、深々と物をむずかしく考えない、口のはっきり利けない様な様子がM子の最も良い性質を表わして居る。