Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
Sふじんへのてがみ
S夫人への手紙
岸田 国士
Lesen Sie S夫人への手紙 (Sふじんへのてがみ) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.921 Zeichen · 30 Bildschirme
早い話が、例の文化住宅ですが、応接間を洋風にするのはいゝとして、窓の日除に必要な設備をした家はほとんどありません。ほかの装飾には金をかけても、こんな大事なところに手をぬくのです。個人の住宅はそれでいゝとして、事務所の窓々からあの夏の西日が直接射し込んでいる、その下で玉の汗をかいてうだつている人々のすがたをみるたびに、小生は、われわれ同胞の我慢強さにあきれるのです。そんな風ですから、洋風の部屋の窓の日覆を取りつけようとすると、それはもうバカバカしい贅沢品とみなされ、ちよつと手の出せないような値段になります。
寝台やイスの修繕は、世の中がこうなる前でも、それはそれはたいそうで、ちよつと近所に引受け手がない有様ですから、どこの家でも、十年や十五年は、毀れたまゝにしておきます。また新調するよりはその方が経済にきまつている。自然、洋風生活は、しやれてはいるが実用向きでないことになり、堅実な市民の生活と縁遠いものになり勝ちです。
当節のバラツク生活、集団生活の実際を観察して、小生は、なぜこの機会に、新しい住生活の工夫が加えられないかを不思議に思うのですが、それも要するに、畳そのものに執着がありすぎるためだとしても、一方、バラツクならバラツクなりに、快適なイス生活の様式と、その使用法を、誰も指導せず、宣伝もしないから