Japanische Klassiker mit Furigana
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エスみさきせいようふじんこうさつじけん
S岬西洋婦人絞殺事件
夢野 久作
Lesen Sie S岬西洋婦人絞殺事件 (エスみさきせいようふじんこうさつじけん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.951 Zeichen · 52 Bildschirme
娘と申しますのは只今R市で玉突屋をやっております。今年二十五の香港生れで、親の口から申しますのも何で御座いますが、死んだ母親に似たシッカリ者で御座います。亭主と申しますのは娘より一つ年下で、今にS・L病院の医者になると申しましてR大学の四年生で勉強致しております。その養子の話によりますと、御存じか知りませんが、このS岬のマリイさんと申しますのは、愛蘭人のお袋さんの血を受けているので御座いましょう。このR市中の学生さん仲間では大評判の別嬪なんだそうで、大学生は申すまでもなく、生意気な中学生までが日曜になると、よく学校のボートを漕出して、このS岬へ着けてゾロゾロ見に参りましたもので御座いましたが、そのたんびに追払うのは私の役目で、中学生なんぞは丸で野良猫みたいにウルサイ奴等ばっかりで御座いました。どうかするとロスコーの若旦那と奥さんが差向いで御飯を喰べている窓硝子を、カーテンの外からガタガタゆすぶる奴なんかが居りましたが、そんな時に腹を立てて真先に飛出すのは、若旦那でも私でも御座いません。いつもマリイ夫人なんで、それあトテモ気の強い方で御座いました。