Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme

Aozora Bunko

「生意気な」

木俣は立ちあがってたけりじしのごとく巌を襲うた、捕えられては巌は七分の損である、かれは十七歳、これは十五歳、柔道においても段がちがう、だが柔道や剣術と実戦とは別個のことである。喧嘩になれた巌は進みくる木俣を右に透しざまに片手の目つぶしを食わした。木俣のあっとひるんだ拍子に巌は左へ回って向こうずねをけとばした。

「畜生」

木俣は片ひざをついた、がこのときかれの手は早くもポケットに入った、一挺の角柄の小刀がその手にきらりと輝いた。

「刃物をもって……卑劣なやつ」

巌の憤怒は絶頂に達した、およそ学生の喧嘩は双方木剣をもって戦うことを第一とし、格闘を第二とする、刀刃や銃器をもってすることは下劣であり醜悪であり、学生としてよわいするにたらざることとしている、これ古来学生の武士道すなわち学生道である。

「殺されてもかまわん」と生蕃は決心した。かれの赤銅色の顔の皮膚は緊張してその厚いくちびるは朱のごとく赤くなった。

「さあ、こい」

木俣は再度の失敗にもう気が顛倒してきた。かれはいまここで生蕃を殺さなければふたたび世人に顔向けがならないと思った。かれは波濤にたてがみをふるうししのごとくまっしぐらに突進した、小刀は人々の目を射た、敵も味方も恐怖に打たれて何人もとめようともせずに両人の命がけの勝負を見ていた。