Japanische Klassiker mit Furigana
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme
やせた神経質らしいおかみさんはひとりのいつも眠そうにしている小僧をひどくどなりつけてお客の手先と商品とを監視させているが、それでも毎日一冊ぐらいは盗まれるのである。
学生の中には毎日決まって雑誌を読みにくるのがある、それが一冊でも買うのかと思うと一冊も買わない、二時間も立って一とおり読みおわると翌日また別なのを読みにくる、こういうのはただ読んでゆくだけだから罪が軽いが、ひどいのになると五、六人団結してあれやこれやとひっくりかえしてその混雑にまぎれてふところへかきこむ。大抵はその顔を知っているものの、ことをあらだてるとかえって店の人気がなくなる。そこでおかみさんの癇癪が小僧の頭に破裂する。
「おまえがぼやぼやしてるからだよ」ぴしゃりッ。
小僧だって朝から晩までどろぼうのはり番をするということはなかなかつらい、かれは十七になるが、十三か十四ぐらいにしきゃ見えない、毎日毎日頭をなぐられるから上の方へ伸びないのだとかれ自ら信じている。
文子は新刊の少女雑誌と英語の雑誌を買った、それから書棚を見ると漢文の字典があったのでそれを引きぬいた、それでやめにしようと思ったがこのときかの女は現代名画集というのを見た、それは叢書の第一巻でかの女がつねにほしいほしいと思っていたのであった。