Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme
やせた顔におくれ毛がたれて切れ目の長い目で針を追いながらふと手をやめたのはわが子の足音を聞きつけたためであろう。
「折詰がない」
こう思ったときチビ公はこらえられなくなってなきだした。
「だれだえ」
母の声がした。
「千三か」
石うすの音がやんだ。そうして戸をあけるとともに伯父の首だけが外へ出た。
「なにをしてるんだ千三」
チビ公はだまっている。
「おい、ないてるのか」
伯父は手をひいて家へいれた。母は心配そうにこのありさまを見ていた、伯母はすでに寝てしまったらしい。
「どうしたんだ」
「伯父さんにあげようと思ってぼくは……」
チビ公はとぎれとぎれに仔細を語った。
「まあ着物はやぶけて、はかまはどろだらけに……」
と母も悲憤の涙にくれていった。
「助役の子だね、阪井の子だね、よしッ」
伯父の顔はまっかになったかと思うとすぐまっさおになった。かれは水槽の縁にのせたてぬぐいを、ふところに押しこんで家を飛びだした。
「伯父さんをとめて」と母が叫んだ。チビ公はすぐ外へ飛びだした。
「だいじょうぶだ、心配すな、みんな寝てもいいよ」
伯父さんは走りながらこういった。
「待っておいで」