Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme

Aozora Bunko

次第次第に快復に向かった光一は聞くともなしに選挙の話を聞いた。

「私は商人だからな、政党にはあまり深入りせんようにしている」

こういつもいっていた父が、急に選挙に熱してきたことをふしぎに思った、選挙は補欠選挙であるから、たったひとりの争奪である、だがひとりであるだけに競争がはげしい。政党のことなんかどうでもかまわないと思った光一も、父が熱し親戚が熱し出入りの者どもが熱するにつれて、自然なんとかして立憲党が勝てばよいと思うようになった。

選挙の期日が近づくにしたがって町々の狂熱がますます加わった。ちょうどそのときだれが言うとなく、豆腐屋の覚平が出獄するといううわさが拡まった。

「おもしろい、覚平がきっと復讐するにちがいない」と人々はいった。

ある日光一は覚平を見た、かれはよごれたあわせに古いはかまをはいて首にてぬぐいをまいていた、一月の獄中生活でかれはすっかりやせて野良犬のようにきたなくなり目ばかりが奇妙に光っていた、かれは非常に鄭重な態度で畳に頭をすりつけてないていた。

「ご恩は決してわすれません、きっときっとお返し申します」

かれはきっときっとというたびに涙をぼろぼろこぼした。