Japanische Klassiker mit Furigana
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あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいきゅうかん)
あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)
宮本 百合子
Lesen Sie あとがき(『宮本百合子選集』第九巻) (あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいきゅうかん)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.598 Zeichen · 10 Bildschirme
ソヴェト紹介の文章そのものの率直さ、何のためらいもなく真直じかに主題にふれ共産党の存在にふれている明るさが、この事実を直截に示している。それからあとプロレタリア文化文学運動の圧殺されたのち、『冬を越す蕾』『明日への精神』が、辛うじて出版された時代の文章は、どうだろう。それはすべて奴隷の言葉、奴隷の表現でかかれなければならなかった。文章は曲線的で、暗示的で、常に半分しか表現していない。文章の身ぶりで主題のありどころをさとらそうと努力されている。そういう表現が強いられていたころ、もと書いたソヴェト紹介の文章は、作者自身にとってその直截さがまるであつい鏝のようにジリッときつく感じられた。そのみじんも暗さのかげのない文章の爽やかさ、躊躇なさに、書いた作者が自身への反撥をさえ感じた。
このことは、些細な経験のようであるが、日本の民主的な精神が歩いて来た歴史のひとこまとして意味の小さくないことだと思う。一九四五年の八月が来て、二年三年とたって、こんにちの情勢の下で自分が二十年前にかいたソヴェト紹介をよみかえして見ると、嘗ての暗黒の時に感じた神経的な反撥は一つも感じられない。