Japanische Klassiker mit Furigana
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あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいよんかん)
あとがき(『宮本百合子選集』第四巻)
宮本 百合子
Lesen Sie あとがき(『宮本百合子選集』第四巻) (あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいよんかん)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.067 Zeichen · 5 Bildschirme
あたりから、進歩的な作家としての作品が少しずつかかれるようになった。「乳房」は、プロレタリア文学の運動に参加してからの一番まとまった、努力した作品であった。ソヴェトに翻訳された。一九三五年四月に中央公論に発表されて間もなく五月十何日であったかに、再び検挙された。
「おもかげ」「広場」二つとも一九三九年の暮にかかれた。きょう読むと、どっちも、ほんとに苦しい小説である。主題が緊張しているばかりでなく、云いたいことを云わせられず、書きたいようにかかされない、その手枷、口枷のなかで、もがいたり呻いたりしている作品である。しかし、作者とすれば、段々戦争が進行して来て野蛮なファシズムの圧力が文学を殺そうとすればするほど、人間として作家としての一生に、深い関係をもった弟の自殺前後のことやソヴェトから帰る前の心もちが、かえりみられ、書かずにいられなかった。
この第四巻には、「一本の花」「赤い貨車」をのぞいて、一九三二年から一九四五年八月まで、進歩的な一人の婦人作家が自由な声をあげようとすると口を抑えられ、少し動こうとすると、すぐその自由を奪われている間々に、口を抑える指のすきから、辛うじて自由が身に戻っている僅かの時間に物語った物語があつめられていると云える。