Japanische Klassiker mit Furigana
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あのかお
あの顔
林 不忘
Lesen Sie あの顔 (あのかお) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.813 Zeichen · 30 Bildschirme
」
「江島屋の納品が片づかねえので、やきもきさせられる。」
「まあ、一服なすってからのことになさいまし。」
「暑いな。拭いてもふいても、汗で、やりきれない。」
すわりながら、
「見てくれ。これだ。」
背中を向けた。上布が、円く、水を置いたように濡れていた。
「江戸に、こんな夏は初めてです。気が狂いそうだ。何だ、切通しの猿飴か。ありがたい。」
下戸なので、お久美の絶やさない甘い物を頬ばって、
「だらけねえじゃねえか。感心だの、この飴は。」
「到来物でござんす。」
「どこから?」
お久美は、うつくしい線にからだを反らして、うしろの茶箪笥の棚から、二、三枚重ねた散らしのような紙をとった。
「伏見屋から、二丁町の鸚鵡石に添えて、挨拶にまいりました。」
日本橋通油町の鶴屋とともに、役者の似顔絵などで聞こえた絵草紙屋伏見屋は、このお数寄屋町の上庄から一足の、池端仲町にあった。
「そうかい。そりゃあ気がきいている。」
「また芝居絵の珍しいのが、新しいのも古いのも、たくさん出ものが揃いましたから、おひまの節お立ち寄り下さいますようとの、口上でござんした。」
こどものように、にこにこして、庄吉は、黙ってその、出たばかりの市村座のおうむ石を取り上げて挑めていた。