Japanische Klassiker mit Furigana
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あのかお
あの顔
大倉 燁子
Lesen Sie あの顔 (あのかお) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.009 Zeichen · 22 Bildschirme
それもまた私にとっては淋しい、つまらないものだったのです」
「しかし、赤ン坊がいるからまだいいのですよ」
「そうかも知れませんが、ある日、夫は縁側に出て愛子をあやしていましたが、突然ぎゅっと抱きしめ、頬ずりしながら、妾の名をよんだのです。私はハッとして、眼がくらくらとしました。ああ、夫は赤ン坊を通して彼女を愛撫している、と思うとむらむらとして、いきなり愛子を引ったくってしまいました。夫は不機嫌な顔をしてむうっと黙り込んでいました」
「気まりが悪かったんでしょうよ」
「私はそういう雰囲気にいるのが辛く、何とかして夫の心を和げようと思い、この子のおかげで毎日が楽しい、子どものない夫婦なんてつまらないでしょうねえ、と申すと、ふふん、子どものない妻なんか他人と同じだ、と、ぷつんと云って外へ出てしまいました。私はその言葉が頭にこびりついて離れませんでした。何年連れ添っても子どものない私は彼から見たら他人なのだ、そこへゆくと妾の方は別れても他人ではないのだろう、と口惜しくって、胸が燃えるようでした」
「男という者は勝手な事を云いますからね」
「それに愛子の顔が妾にそっくりで、眼つきだの、笑う口許だの、実に生き写しなのです。